DATE 2008. 9.16 NO .
「手、出して下さい」
「こう?」
「はい!」
「…って、な、何よこれ」
最初はハイタッチに出した手をつつくという発想に至っていたようなお姫様が、今ではこうしてリタにまでやらせるようになった。
「ほら、ユーリも!」
「…俺もかよ!」
「こんな大きいのを倒したんですから、ね?」
「はいはい……」
それもまぁ、小気味よい音をたてて。
…楽しそうだ。
(――それにしても)
「? ……どうしたんです?」
「あ、いや何でもない」
細い手、だよな。
リタとは違って剣も握る手だってのに。
「青年、次つかえてるから早くしてよ〜」
「次ってなんだ、次って!」
「次はレイヴンという事です」
いや、まぁ、それぐらい俺もわかるんだけどな。
ぼんやりそんな事を考えながらおっさんに駆け寄るエステルを眺めていると、そのおっさんと目が合ってしまった。
「およ?」
一瞬間をおいて、にやり。
「青年も意外と子供っぽいとこがあんだね〜」
「…っ、大きなお世話だよ!」
「二人とも、何のお話です?」
リタを振り返ると、いつの間にか座って本を読んでいる。
我、関せず。
(ほんっと、何やってんだ俺……ほっとけほっとけ……)
一つを除いて、あいつは全く心配要らずだったのにな。
あれか、俺の求めるレベルが高すぎるのか。
「嬢ちゃんハァーイ!」
「はい!」
「胸に飛び込んでおいで〜!」
「そ、それはちょっと…」
残念だったな、おっさん。
うなだれるおっさんには構わず、エステルはラピードにも駆け寄る。
「ラピード〜♪」
「…ウォン!」
「尻尾…ですか…」
ちょっと残念そうにしたかと思えば、振り向けばもう満面の笑顔で、
「それじゃあ、行きましょうか!」
くるくると忙しい事だ。
――それにしても、細い。
まだあの華奢な手の感覚が、残っている。
≪あとがき≫
…中学生日記かよ! 何かもうすいません。
掛け合いも随分多彩になりましたよねー。戦闘やってみたいなー……CCの1000人斬りは疲れましたが、
ヴェスペリアの200人斬りが楽しそうで仕方ありませんww
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